ヨルガタムヒラ

かゆみと戦うアラフォームヒラーの私が、日々の出来事をつづる場所

稽留流産の手術をしました。

子宮内容除去手術(掻爬手術)

流産が決定との診断が下り、25日に手術しました。

 

前日は夜の9時以降は絶飲食、当日も同じ。と言われました。

(胃に何かあると麻酔のとき気分が悪くなるそうです。)

生理用品、子宮内容物除去手術(掻爬手術-そうはしゅじゅつ-)の同意書などを持って

自転車で10分くらいの場所自転車で行ってきました。

帰りの事は、その時の様子でタクシーかバスにしようと思ってました。

家族は近くにいないし、旦那は仕事だから自分で帰らなきゃだし。

 

朝の9時から処置を始めると言われたので15分前に到着。

でも病院には誰もいなく、電気も付いていません。

9時になっても待合室にひとりぼっち。

 

やっとポロポロ事務員さんや患者さんが現れ始め

9時30分ごろに、手術を執刀する先生が出勤してきた。
え。。。寝起きで手術大丈夫?   

しばらく待たされ、看護婦さんに病室に案内され、

そこで1日のスケジュールを説明された。

 

●am10時頃、先生が来たら子宮口を開く処置

●am11時頃、一旦、病室に戻る。

●pm2時に手術室へ移動。子宮の中をかき出す

●病室に戻り、麻酔が覚めたら費用を精算して帰宅。

 

まず手術着みたいなのに着替え、処置室というか手術室に移動。

(でもそこは分娩室なんですけどね、、、)

 

 

 

 

 

 

寒い手術室で薄い術着みたいの1枚で固くて冷たいベッドに

30分くらい1人放置されて凍えそうだった。

やっとナースが来て「採血と水分補給の点滴をします」と言われた。


「血管が細い」と採血も手間取って、痛い。そして寒い。
点滴もうまく入らず結局、手の甲に。。。。痛い。。。。

点滴が逆流してるとか、点滴の管に空気がいっぱい入ってるとか言うし、中年の新人ナースがアタフタしてるし不安要素ありすぎ。

先生が来て処置が始まった。

まず子宮を広げる処置をする前に口から吸う麻酔をした。

口にマスクみたいな吸引器をつけて吸う麻酔。


あっと結う間に頭がマヒして手足が力入らなくなったけど、

子宮の処置の激痛はハッキリ分かった。


イテテテ!ギャア!


って心で叫んでも声は出ない。
耳はハッキリ聞こえる。


『麻酔ちゃんと吸ってる?あれ?吸ってねーじゃん。』

『あ、なんだ寝ちゃったのか』


いやいや、寝てないから!

頭と手足がマヒして動けないけど意識あるし聞こえてるし痛いから!

数分?10分?くらいで子宮を広げる処置は終わり、病室にうつされた。

 

10時50分。
手術は午後2時からだから、それまで病室で寝てるように言われた。


12時10分

目が覚めてトイレ。点滴をひきずるの初めてだから手間取る。
トイレに入るとけっこう出血していた。
まだ手術前なのに。。。


あと子宮を広げる道具みたいのがすごく違和感…
突っ張り感?引きつれるような感じで痛い。


隣の部屋は普通に妊婦さんらしき人が入院してて、にぎやかで精神的にキツい。
最初の麻酔のせいか、少しぼんやりして、眠ってしまった。

 

14時5分
看護婦さんが呼びに来て手術室に移動した。

『点滴に麻酔を効きやすくする薬を入れますね。少しチクチクしますよ』と言われたが、針は最初から刺さってるからチクチクの意味が分からなかった。

数分して針が刺さってる手の甲に激痛が!
チクチクじゃないじゃん!何この未知の痛み!?

痛い!痛い!と声を絞りだしても看護師さんはテキパキ動きをやめない。

 

先生は『掻き出すのはアッという間ですよ』と言った。

 

看護士さんは「私が数字を言ったら、続いてくださいね。い〜〜ち」

私が「2」と言うと

看護士さんが「そうじゃなくて同じ数字を言ってください」と訂正。

 

(そういってる間に5秒くらい経ってない?)

(麻酔って7秒とか医療ドラマで見たけど、、、)

とか考えながら

 

「さ〜ん」「3」「よ〜ん」「4」と8くらいまで言ったら

先生が「早い!」と言ったのを最後に力が抜けて来た。


そのうち意識モウロウとしてきて、手術室の景色がモノクロになってきた…

怖い!意識ぶっ飛んでる自覚はあるはずだけど、アチコチ痛い。

 

 

 

 

 

 

(ここからは私の意識の中のイメージ映像)


周りが黄土色の幾何学模様グニャグニャの狭い空間に見えてきて、

どんどん狭くなって圧迫される。

 


『痛い!痛い!』実際に声が出てるかは分からないけど、必死で叫んだ。

叫んでるつもりなのにつぶやくくらいの声しか出せない。
今度は真っ黒いベタベタでドロドロに溶けたような

羽みたいな塊が大量に押し寄せてきた。

 


怖い!痛い!痛い!

 


吐き気がする!気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い!



どんどん何かが込み上げてきて苦しい。

 

おええええーーー


あの中年の新人ナースの声が聞こえる
『あら、吐いてらっしゃるわ』


なんか器を顔を押し当てられ、そこに吐くように促された。

体は麻酔で動かない。痛みと吐き気がとまらない。
(あー、これが寝ゲロかー。産まれて初めてだー)

と考えながら、もう一方で、味わったことのない感覚で遠退く意識の中、

 

この真っ黒でグニャグニャな世界の中で吐き気と痛みに襲われて

(わたし、死んじゃうんだな)

(このまま眠ったらもう起きないかもしれないな)

と変な事を考えていた。

 


頭がグルグル周りながら次に目が覚めたら病室のベッドだった。

 


周りがぼやけてるけど、確かに手術前に見覚えある赤ちゃんのカレンダーがある。
わたしの荷物も見える。

 


『あれ?わたし生きてる』

 


試しに、恐る恐る指を動かしてみた。
瞬きもしてみた。
足の指も動く。


寝返りは無理だった。

小さく『あー』と声を出してみた。

生きてる。
ホッとした。

フラフラしながら携帯を手に取り、旦那に終わった報告メールした。

だんだん目がハッキリしてきた。して夕方の4時だ。

まだ2時間しかたってないのか。


そして旦那の母親、つまり姑に電話した。

じつは、今回と前回あわせ、2度の流産は内緒にしていたので、

先日も赤ちゃんまだ?と言われたばかりだった。

 

 

 

 

 


『もしもし義母ちゃん』


『あら、声が元気ないけどどうした?調子悪いんか?』


『言えなかったんだけど、実は流産しました』

私は初めて泣いた。


『いま病院で、手術終わったとこ。ごめんなさい』

『そっか、そっか。大変だったなあ。』

『実は今回で2回目で、お義母ちゃん楽しみにしてるのに、本当にごめんなさい』


『体は大丈夫か?』

『うん。昨日は死んだお義父ちゃんの誕生日なのに、こんな話でごめんなさい。お義母ちゃんとお義父ちゃんに申し訳ないです』

『気にするな。みんな義父ちゃんの誕生日忘れてたのに、あんただけだよ、祝ってくれたの。お祝いは仏壇に供えてあるよ。ありがとうな』


お義母ちゃんも泣いてるみたいだった。

私はただただ、謝るしかなく

『順調ならゴールデンウィークに、お義母ちゃんに1番に報告したかったのに、ごめんなさい』

 

お母ちゃんは

『今は体を休めなさい。ゆっくり寝なさい。わざわざ電話ありがとうな。』
と言ってくれた。

電話を切ったあとしばらく泣いて少しスッキリしたので起き上がってみた。

 

 

 


まだフラフラで、起きると吐き気がする。

また横になり、気が付くと夕方5時だった。

 

次に自分の母親にも報告し、少し落ち着いた頃に看護士さんがきた。

 

『先生に診察してもらいましょうね』と、車いすに乗せられた。

産まれて初めての車イス。

麻酔が残っているのか、車椅子を押されると少しの揺れが気持ち悪い。

 

先生は『ちゃんとキレイになってるから、次は1週間後ね』と言われた。

開いた子宮を収縮させる薬を5日分処方された。

 

●フロモックス100

●メチルエルゴメトリン マレイン酸

(1日3回 食後)

 

治療費を精算し、あとは気分が良くなるまでいつまででも部屋にいていいと言われ、夜7時くらいまで休ませてもらった。

 

タクシーを呼ぶつもりだったけど、目も気分もスッキリしていたので

気分転換に自転車乗ったり&ゆっくり歩きで、15分くらいで帰宅。

 

次の診察では今後の事を相談します。

不妊治療、体外受精、不育治療などについて。

 

流産の手術については、ネットなどで他の方の内容を見ると

『麻酔で痛みは、ほぼ無く、気付いたら終わってる』という意見が多かったので甘く見ていましたが、これは体質によるのかもしれませんね。

 

痛みや吐き気はともかく、術前、術後のメンタルは、皆それぞれに

家族や仕事、生活、抱えている不安などもそれぞれなので計れる物ではありません。

自分の体の中をかきむしられる恐怖と、赤ちゃんを失ったショック、

今後の体質や体調、次のステップへの不安、きりがありません。

 

周囲の方のフォローも大切ですが、自分も少しだけ無理せず無理して?

前向きになりたいと思っています。

 

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今回の治療費、入院費、部屋代、薬代、診察etc

45240円

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生命保険に入っている場合適用されるようです。

自然に出てしまう完全流産だとダメな場合もあるようです。

先生や保険屋さんに相談してみます。

 

心機一転、今日からバイト再開します。